今月の食品衛生重点チェック項目
| 対策 | チェックポイント |
|---|---|
| ノロウイルス対策の維持確認 | ノロウイルスの流行期は、10月末頃から翌年の4月頃となる。下痢風邪等の自己申告をするように周知する。手洗い方法とタイミングは、マニュアルに沿って行われているかを確認する。吐き気、下痢気味の方は食品を直接触らない部署に一時移動する。 |
| 年末年始製造管理の準備、整理整頓 | 年末の製造数、製造予定の確認と計画作成を行う。資材準備、受け入れ態勢の整備をする。製造量が増え始める前の整理整頓や大掃除を実施する。冷蔵庫、冷凍庫に不具合が無いか、温度設定等に問題が無いかを確認する。仕入れ原材料が増えるため、冷気の流れを塞がないよう冷蔵庫等の保管は容量の70%以下になっていることを確認する。 |
| 表示の確認 | 流通が増える年末年始を前に、期限表示、アレルゲン等の表示の確認をする。ラベルの貼り間違い、誤入力がないか(翌年を2年先に変更しているか)、印字機の不具合がないか、使用原材料変更がないかを確認する。 |
| 保健所年末一斉取締の対策 | 年末の保健所の立ち入り検査に向け、収去検査の準備をしておく。営業許可証、食品衛生責任者名が掲示されているかを確認する。HACCP関係書類のチェックを行う。衛生講習会の受講ができているかを確認する。 |
| 毛髪の異物混入対策 | 静電気が起こりやすい時期なので、粘着ローラー掛けの実施頻度を上げ、ヘアキャップ(毛髪防止ネット)の着用状況を確認する。着替える前に髪の毛をブラッシングして抜けそうな毛を落とすと良い。 |
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年末(歳末)食品衛生総点検の注意喚起
12月1日から約1ヶ月の間、年末(歳末)食品衛生総点検が行われます(一部の自治体は11月1日から実施)。蒲鉾、ハム、クリスマスケーキやおせち料理などを作る食品工場、忘年会などで利用されるホテルや大規模飲食店、食品市場やスーパーマーケットなど大量に食品が流通する施設に重点的に立ち入りがあり、衛生状態、表示、製造基準の遵守などがチェックされます。その他に蒲鉾などの魚肉練り製品、ハムなどの食肉製品、生食用カキなどの規格基準や洋生菓子、お正月用のそう菜などの食品の抜き取り(収去)検査が行われます。その他にHACCPの導入状況についてもチェックされます。
消費者庁が公表した自主回収状況を見ると、相変わらずアレルゲン表示の誤記載や欠落、賞味期限の誤表示や欠落などがありますので、日常の衛生管理、点検が大切です。
◆食品製造施設:製造品の収去(抜き取り)検査のほか、HACCPの導入状況のチェックもあります。
- ◎製造・規格基準のある食品(魚肉ねり製品、食肉製品、冷凍食品、アイスクリーム類など)や指導基準のある食品(そう菜、生菓子等)の収去(抜き取り)検査
- 加熱方法など製造基準に合致しているか、その記録は保存されているか。
- 二次汚染防止や異物混入対策はできているか。
- 使用基準のある添加物(保存料、発色剤など)は、正しく計量して使用されているか。
- ◎表示が正しく行われているか(名称、製造者住所、氏名、原材料、添加物、アレルギー物質、遺伝子組み換え食品、期限表示、保存方法、栄養成分、原材料の原産地など)。
- 特に賞味(消費)期限表示の間違いやアレルギー物質の欠落には注意が必要です。
- アレルギー物質は原材料に含まれていることもあり、原材料のチェックのほか、同じ製造ラインでアレルギー表示が必要な食品を製造する場合は、コンタミ防止対策が大切です。古いラベルを使用した例もありますので間違って使われないような管理も大切です。
-
開封後日数が経過した原材料や賞味期限が切れた原材料などがないかもチェックしておきましょう。
開封後は要冷蔵品もありますので、記載された保存方法にも注意しましょう。
- ◎製品検査
- 細菌や添加物等の自主検査の実施。
- 期限表示設定の根拠(保存試験、官能検査など科学的根拠)はしっかりしているか。
◆食品市場・スーパーマーケットなどの販売店:流通品の抜き取り検査もあります。
- ◎保存基準のある食品(食肉製品、魚肉ねり製品、牛乳・乳製品、豆腐、油菓子など)
- 特売品などが冷蔵ケース外の販売や直射日光が当たる場所での販売はないか。
- 冷蔵ケースや冷凍ケースの温度チェックは行われているか。
- ◎表示のチェック
- 法律に基づく所定の表示が正しくされているか。賞味(消費)期限が切れたまま販売されていないか。
- ◎不衛生な販売
- 露出販売など不衛生な販売はないか。
◆飲食店:HACCPの導入状況やノロウイルス等の対策が行われているかチェックされます。
- ◎宴会やテイクアウト、宅配などを行う施設
- 従事者の個人衛生は大丈夫か(手洗い、下痢など健康チェックの記録)。
- 調理器具類の使い分けなど二次汚染防止対策。
- 加熱用鶏肉の生食や、加熱不十分な提供はないか。生で提供するカキは「生食用」であるか。
- ふぐ取扱い店(飲食店や販売店)は、ふぐの取扱いが正しく行われているか、認証書やふぐ取扱責任者免許証の確認等も行われます。
- ◎弁当、仕出し屋、給食(老人ホーム等)など
- 従事者の個人衛生(手洗い、下痢など健康チェック、マスクや手袋着用など)。
- 野菜を加熱せずに提供する場合の、野菜の洗浄殺菌状況(特に高齢者への提供)。
- 食材の十分な加熱、適切な温度管理(調理済み食品の十分な放冷など)のほか、異物混入、二次汚染防止対策、検食保存の状況もチェックされます。
※2024年12月3日 初稿
※2025年11月11日 文書改訂
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